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監査法人を円満退職するメリット【知っているようで知らない退職手続】

こんにちは。

「書いている人」@CPABlogです(プロフィールはこちら)。

 

近いうちに監査法人を辞めることになりそうなので、最近は努めて情報を集めています。

先日もベンチャー企業で働いている元同僚と会って、いろんな話を聞いてきました。

 

 

私は監査法人でズルズル働き続けてしまい、今になって苦しい立場に追い込まれています。

パートナーになれなくても、定年まで監査法人で働ければ、それはそれでいいと思っていたのですが、どうやら限界が近づいているようです。

 

多くのものを犠牲にして、事務所に尽くしてきたつもりなので、裏切られたという気持ちもないわけではありません。

でもそんなことを声高に叫んでみても何の解決にもなりませんので、監査法人を辞めるときは、円満退職を目指すつもりです。

 

円満退職のメリット

これまで多くの退職者たちを見てきましたが、辞めいく様子はさまざまでした。

  • ほとんど気付かれずに去っていく人
  • 最後まで惜しまれながら辞めていく人
  • 後ろ足で砂をかけて出ていく人

 

さまざまな思いがある中で、退職を決意するので、当然と言えば当然だと思います。

でも「円満退職」には以下のようなメリットがありますので、思いはいろいろあると思いますが、できるかぎり円満退職を目指すべきです。

何が起こるか分からない

監査法人を辞めた人の中には、数は多くありませんが、数年で出戻る人がいます。

出戻る理由はさまざまですが、以下のような理由があるようです。

  • 転職先が思ったような職場ではなかった
  • やり残したことがあることに気付いた
  • 人手不足を理由にパートナーからの誘いがあった
  • 金銭的理由

 

監査法人側にしても人物が分かっているので、よほど評価が低い人でない限り、出戻りを積極的に受け入れています。

 

辞めるときに出戻りのことなど考えたくはないと思いますが、長い人生なのでこの先何があるか分かりません。

もしもの時に出戻れる場所があるからこそ、思い切ったチャレンジもできるのだと思います。

 

出戻りという保険を、自ら捨ててしまうことはありません。

 

出戻りの可能性は人生の保険になりうる。その保険を自ら捨てることはない

外部協力者という立ち位置

企業はさまざまな悩みを抱えており、解決のために専門家を利用しています。

監査クライアントも同様で、私もこれまでにさまざまな相談を受けてきました。

監査の独立性に問題がなければ、内製するのですが、独立性に抵触するような事案の場合は、外部の協力者を紹介してきました。

 

独立開業している場合は、このような仕事はのどから手が出るほど欲しいものです。

紹介口はたくさん持っていて損はありません。

 

円満退職していれば、外注する仕事を紹介してもらえることもある

キャリアアップのきっかけ

監査法人を辞めて事業会社で働く場合も無関係ではありません。

企業は常時、優秀な人材を探しているものです。

人脈の多いパートナーは、よくクライアントから人材の紹介を依頼されています。

中には一般の求人情報には出回らないような求人もあります。

 

退職後もこのようなパートナーと繋がっておけば、もしかするとキャリアアップするためのチャンスをもらえるかもしれません。

 

稀有な求人は一般には出回らない。人脈のあるパートナーとの繋がりは大事にすべき

 

円満退職までの流れ

監査法人を退職するまでの流れは以下のようになります。

流れをしっかり理解して、円満退職を目指すようにしてください。

最終出勤日を決める

監査法人を退職するときに一番最初に考えなければならないのが、最終出勤日をいつにするかということです。

これが決まらないと、次の職場の面接を受けることもできませんので、最初に決める必要があります。

このとき、自分の都合だけではなく監査法人側の都合も考慮して、最終出勤日を決めるようにしてください。

辞めていく会社のことなど知ったことではないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、円満退職するためには、必要なことです。

 

監査法人では7月から新しい年度が始まります。

従って6月末を最終出勤日とするのが、最も迷惑を掛けない辞め方です。

有給休暇を消化するなら、この後ゆっくり消化すればいいのです。

 

でも転職先の都合を優先しなければならない場合もあると思います。

そのような時は、転職先の都合を優先するしかないと思います。

今の職場の同僚たちは困るのは事実ですが、意外と何とかなるものです。

ただし円満退職するためには、監査法人側の理解は十分に得られるように、理由などは丁寧に説明すべきだと思います。

 

可能な限り迷惑を掛けない6月末を最終出勤日に。有給消化はそれからゆっくりすればいい。

次の職場を決める

退職時期が決まったら、次の職場探しです。

退職の意向を伝える前に、次の職場を決めておくことを強くおすすめします。

 

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忙しいことを理由にして、転職活動を退職後に行うことは、想像以上にプレッシャーが掛かるものです。

気持ちの余裕が持てる在職中に、次の職場は決めておくようにしてください。

 

次の職場が決まらないまま、無職になるのは想像以上のストレス。退職の意向を伝える前に次の職場を確保しよう。

 

直属のパートナーへの報告

次の職場が決まったら、次は直属のパートナーへの報告です。

 

なかなか切り出せず、ついついメールを使いたくなるものですが、退職の意向は直接口頭で伝えるようにすべきです。

 

また監査法人はマトリクス組織なので、誰が直属の上司なのか迷うこともあると思います。

そんなときは、一番よく関わったパートナーを選べばよいと思います。

 

マネージャや主査へ報告するのは、それからになりますので、順序が逆転しないように注意が必要です。

 

また余程のことがない限り、退職を考え直すように慰留されるものですが、十分考えた上での退職なので、ここで心が動くことはないと思います。

次の職場が決まっていることをきちんと伝えれば、余計な慰留は回避可能です。

 

なお法人によっては職員の退職は、部門長の承認事項になっている場合もあるようですが、訴訟等に巻き込まれている場合など特殊なケースでなければ、否認されることはありません。

 

退職の意向は直属のパートナーに口頭で伝えるべき

 

退職届の提出

退職時に提出する書類は、法人によってさまざまです。

退職届は指定されたフォーマットがある法人もありますので、社内ポータルサイト等に掲示されている規程や手順書などを確認するようにしてください。

 

ポータルサイトなどを確認しても手続きがよく分からない場合は、事務アシスタントに確認するのが手っ取り早いです。

手慣れた様子で、手続きの流れを教えてくれます。

またチェックリスト形式になった手続きの一覧がある場合もありますので、これらを見ながら必要書類を提出するようにしてください。

 

退職届は決まったフォーマットがあるかも。調べて分からなければ、事務アシスタントに聞くのが手っ取り早い

同僚への報告

直属のパートナーへの報告が終われば、同僚たちへ報告することになります。

タイミングによっては部内への影響を考慮し、同僚への報告を待つように指示されるケースもありますので、指示に従うようにしてください。

 

お世話になった上司や同僚には、メールやSNSで伝えるよりも、直接口頭で退職の意向と感謝を伝えたほうがいいでしょう。

 

同僚への報告は、直属のパートナーへの報告が終わってから。順序を間違うと、礼節を欠くことになることも

残務整理、引継ぎ対応

退職を決めた瞬間から仕事の手を抜く人をたくさん見てきましたが、円満退職を目指すなら、最後まで気を抜くべきではありません。

 

とはいえ、退職を決めた後にモチベーションを維持するのは大変だと思います。

そのような場合でも、少なくと外から見て手を抜いていると思われない程度には、がんばってほしいと思います。

 

主査をしている場合は、次の主査への引継ぎも必要です。

自分がやってもらったらうれしいと思えるような引継ぎをやってあげるようにしてください。

 

自分がしてもらうと、うれしいと思える引継ぎをするようにしよう

クライアントへのあいさつ

退職が決まったら、クライアントへのあいさつも必要となります。

ただし先走って独断でクライアントへ報告するのではなく、必ずパートナーの指示を仰ぐようにしてください。

 

多くの場合は、パートナーが次の主査候補者を紹介しつつ、あなたの退職が伝えます。

クライアントからすれば、担当者の変更は面倒なことなので、この動揺を抑える意味でも、クライアントサービスの責任者であるパートナーに任せておくのが最良です。

 

なおクライアントから退職の理由などを聞かれる場合もあると思います。

円満退職を目指すためにも、決して監査法人の悪口などは言わないようにすべきです。

 

クライアントへの対応は特に慎重に。

挨拶メール

普段接する同僚には、口頭で退職の報告はすることになると思いますが、その他の関係者への報告はメールで行うことになります。

 

たまに全社メールで退職の報告が来ることがありますが、必要な人にだけ報告が届くように限られた範囲でメールを送れば十分だと思います。

 

送るタイミングですが、最終出勤日の午後イチくらいがベストだと思います。

パソコンの返却直前に送ってしまうと、返信を読むことができなかったりしますので、午後イチくらいに感謝の言葉とともに最終出勤日になった旨を報告するのがよいでしょう。

また今後の連絡先をお知らせするのも忘れないようにしてください。

 

挨拶メールは必要な範囲で。感謝の気持ちを述べるとともに、退職後の連絡先を伝えよう

 

送別会

退職が決まったら、同僚たちが送別会を開催してくれると思います。

お酒が苦手な人は面倒に感じることもあるかもしれませんが、円満退職を目指すためにも、必ず出席するようにしてください。

 

たまに送別会を断って辞めていく人もいますが、今後のことを考えれば、あまり得策ではありません。

 

思うところはあるかもしれないけど、送別会はちゃんと出席すべき

 

データの持ち出しは高リスク

監査法人にはさまざまなノウハウやデータが保存されていますが、退職後はこれらにアクセスすることができません。

そこで最終出勤日までに、これらのデータを持ち出すことを考える人もいるようですが、やらないようにしましょう。

 

昔はゆるかったのは事実ですが、今はデータのダウンロードなどはモニタリングされていて、不正なデータの持ち出しがなされていないか、監視されています。

またUSBメモリなど外部の記録媒体への記録は機能的に制限されています。

多くの人が思いつくのは、メールを使う方法なのですが、メールの送受信もモニタリングされていますので、最終的にはバレてしまいます。

 

データの持ち出しはリスクに全く見合いませんので、やらないようにしましょう。

 

データの持ち出しは高リスク。リスクに見合うメリットなどない

 

まとめ

パートナーになれる一部の人を除いて、監査法人は定年まで働くことのできる職場ではありません。

 

したがってほとんどの人が監査法人を去っていくことになるのですが、万が一のことも考えて円満退職を目指すようにしてください。

 

円満退職しておいて、損なことは何一つありません。

 

私も思うところがないわけではありませんが、でもここまで育ててくれたという思いで、感謝しつつ、最終出勤日まで働きたいと思います。

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