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監査法人にしがみつく【そんな生き方が楽しいわけがない】

こんにちは。

「書いている人」@CPABlogです(プロフィールはこちら)。

 

公認会計士になった人のほとんどが最初のキャリアを監査法人からスタートさせます。

そのためか定年まで監査法人で働きたいと考える人も少なくありません。

 

でも現実問題としてパートナーにならない限り定年まで監査法人で働き続けることはできません。

パートナーになれるのは同期10人の内1人くらいの割合ですので、残りの9人はいずれ退職せざるをえなくなってしまうのが監査法人というところです。

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にもかかわらず何とか監査法人にしがみついて生きていく方法はないかと頭を悩ましている人も中にはいます。

 

はたしてパートナーにならずに監査法人にしがみついて生きていく秘策はあるのでしょうか。

 

しがみつき続けるのが難しい理由

私も少し前までは監査法人にしがみついてでも定年まで働きたいと考えていました。

でもしがみつき続けるのも簡単なことではありません。

 

なぜ簡単ではないのか、その理由は以下のとおりです。

監査を続けさせてもらえない

マネージャ時代には最大5社のインチャージを同時に務めていたこともあり、担当する会社が代わりこそすれ、これがずっと続くものだと思っていました。

でもシニアマネージャになる頃には徐々に監査の仕事が減ってゆき、ついにはすべての監査の仕事から外されてしまいました。

 

私が監査で大きなミスをおかしたり、能力が足りなかったりしたからではありません。

 

一定以上の年次の会計士たちは皆、監査の仕事から外れなければならなくなるのです。

これは後進に修行の場を譲るためであり、監査法人で働く以上は仕方ないことなのです。

監査法人というところは、会計士たちの修行の場として機能することも求められていることを忘れてはいけません。

 

私自身も先輩たちからインチャージの座を譲り受け、経験を積ませてもらったのと同じように、私たちも後輩たちにインチャージの座を譲り渡さなければならないのです。

 

そしてすべてのインチャージの座を譲り渡した後は、監査に居場所は残されていないのです。

スーパースタッフとして監査を続ければいいと考える人もいるかもしれません。

 

でもスタッフとして調書を作る作業をするには、給料が高すぎるので、パートナーはそれを許しません。

また後輩たちだって、先輩たちは使いずらいので好んでアサインなんかしません。

 

結果、監査に居場所はなくなるのです。

コンサル業務に活路を求める

監査業務で居場所を失えば、コンサル業務に活路を求めるしかありません。

 

コンサル業務もスタッフとして関与するなら監査と同じで、プロジェクトマネージャの指示に従っていればいいだけなので、楽なものです。

でもコンサル経験の乏しいシニアマネージャを積極的に使いたがるプロジェクトマネージャなんていません。

だから自分でコンサルの仕事を取って来るしか道は残されていないのです。

 

毎年、報酬総額が4、5千万円になるくらいの業務をコンスタントに受注できれば、自分のアサインをすべて埋めることができるので、周りには忙しくしているように映ります。

そして周りに忙しくしているように映る限り、パートナーも完全放置なので仕事を適当に調整して、自由を謳歌することも可能です。

 

ところがそれ以下しか受注できなければ、自分のアサインを埋めることができず、周りから仕事をさぼっているように映るようになります。

そうすると途端にパートナーたちも黙っておらず、矢のようなプレッシャーを掛けてきます。

 

それが嫌なので、ほとんど知識や経験のない分野にまで手を広げて、受注を積み上げようと努力するのですが、受注を積み上げるのは簡単なことではありません。

専門家を専門家足らしめるのは、その分野で十分な知識と経験があるからであり、知識も経験もない分野で虚栄を張って営業を続けるのは、精神的にも相当なタフさが求められるものです。

 

そして私は完全に心が折れてしまい、これ以上知識や経験のない分野で戦うことができなくなってしまいました。

そしてどこにも居場所がなくなる

監査にもコンサルにも居場所がなければ、もう監査法人に居場所は残されていません。

 

それでも監査法人では自分が辞めると言わない限り、首を切られることはありませんので、定年まで監査法人にしがみついて生きていくことは可能なように見えるかもしれません。

でもそのような状況に耐えて監査法人にしがみつき続けるのは簡単なことではありません。

 

パートナーになれない者は、徐々に辞めざるを得ない状況に追い込まれていきます。

パートナーたちもマネジメントから利益をあげるように激しくプレッシャーを掛けられており、彼ら自身も監査法人で生き残るために必死です。

だから生産性の低い者をそのまま放置することはありえません。

 

パワハラの問題があるため、昔ほど露骨なことはしなくなりましたが、あの手この手を使って生産性の低い者を追い込んでいくのです。

 

でもこれは仕方ないことだと思います。

監査法人も営利企業なのだから、生産性の低い会計士たちを雇い続けることはできないことは、当たり前のことなのだと思います。

 

幻想は早々に捨てるべき

「自分から辞めると言い出さない限り、定年まで監査法人にしがみつき続けることは可能である」という幻想は一刻も早く捨てるべきです。

40代、50代になって辞めざるを得ない状況に追い込まれると悲劇でしかありません。

 

会計士になれたくらいだから30代までなら方向転換は容易です。

ほとんどの人が定年まで働くことが当たり前になっている一般事業会社で将来を心配することなく安心して働くのもいいでしょう。

あるいは独立開業を目指してスキル獲得のために会計事務所等に転職するのもいいと思います。

 

自分はパートナーにはなれないと思うなら、遅くとも30代後半までに方向転換するべきなのです。

 

しがみつく人生が楽しいわけがない

そもそも多く人は公認会計士になったばかりの頃は夢を描いてワクワクする毎日を過ごしていたはず。

にもかかわらず監査法人で働いていく中で、自分の能力の限界を知るようになると、今度は監査法人にしがみつくことを考え始めるようになります。

でも監査法人にしがみついて生きていくような人生を送るために公認会計士になったわけではないはずです。

毎日ワクワクしながら働きたいから公認会計士を目指したのではありませんか。

 

監査法人にしがみついてでも監査法人に居残ることを考えてしまっている人は、もう一度これからのことを考えた方が良いのだと思います。

 

まとめ

監査法人にしがみついて生きていこうと考えても、しがみつき続けられるものではありません。

それどころか40代、50代になって力尽きてしまえば、路頭に迷うようなことになってしまうかもしれません。

何よりそんな生き方をしたくて公認会計士になったわけではないはずです。

 

監査法人で一生懸命働いているとなかなか外の世界に目を向ける機会はありません。

でも外に目を向ければ世の中はいろいろな選択肢で溢れていることにきっと気付くはずです。

 

私もずいぶん遠回りしてしまいましたが、このことに気付くことができたので、ようやく自分の人生を取り戻せそうです。

皆さんも自分自身の人生を取り戻せることを切に願います。

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