他の監査法人への転職は意味があるのか【考えなしだと失敗する】

こんにちは。

私はシニア時代に大手監査法人間で転職したことがあります。

転職した理由は、部門の方針が私に合わないと感じたことでした。

今考えるとかなり恥ずかしい。

「若気の至り」というやつですね。

 

そんな私のプロフィールは以下のとおりです。

 

  • 90年代後半に第二次試験に合格し、大手監査法人に入所
  • 監査業務を中心にIPO支援、その他コンサルティング業務にも従事
  • バックオフィス系部署や地方事務所での勤務、大手監査法人間での転職も経験
  • ほぼ規定年数でシニアマネージャまで昇進

 

入った監査法人が自分とは合わないんだけど、まだ監査の経験は積みたいので、他の監査法人への転職を考える人は、それなりにいるのではないでしょうか。

現状は売り手市場なので、転職するには有利な時期だと思います(新型コロナウイルスの影響で先行きは不透明ですが)。

 

でも何のために他の監査法人に転職するのかは、よく考えた方がいいです。

監査を続けるつもりで転職を考えているなら、注意が必要です。

 

転職した理由

私がシニア時代に他の監査法人へ転職した理由は、部門の方針が自分に合わないと考えたからです。

 

私が配属された部門は、当時の理事長を輩出していた部門で、法人内での力学を重視する部門でした。

法人内の力の源泉は「収益」であり、部門に所属するパートナーたちは「収益」をあげることを求められていました。

そのためパートナーたちは監査そっちのけで、スポット業務の受注に取り組んでいました。

そんな部門なので、監査を一生懸命やることなど全く評価されません。監査業務で残業報告を行うと、露骨に嫌な顔をされていました。

期末決算の繁忙期でさえ、残業報告が否認されることも良くありました。

サービス残業の強要など今なら大問題になりますが、当時は平然と行われていたのです。

 

今ならば、このような考え方も理解できるのですが、当時の私には理解できず、ストレスを抱える毎日でした。

 

またまともな監査を実施ているところで、監査の経験を積みたいとも考えていました。

今では考えられないことですが、当時所属していた部門では、調書レビューはほとんど行われていませんでした。

作った調書はレビューされないので、実施した手続や作成した調書が適切なのか、よく分からないまま監査を実施していました。

こんなことを続けていても、まともな監査の経験は積めません。

 

そこでまともな監査の経験を積むために、他の監査法人への転職に踏み切ったのです。

望んでいたとおりの転職だったけど

当時の私は、勢いだけで転職に踏み切ってしまったので、新しい職場を見つけるのに苦労しました。

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今なら転職エージェントなどを利用して、もっとスムーズな転職を目指すのですが、当時の私はそこまで気が回りませんでした。

結局、知人のツテで新しい監査法人に入ることができ、命拾いしました。

 

新しく入ったところは、グローバル企業を抱えている部門で、その企業から多額の報酬を得ていたことから、監査が中心で回っていました。

ここでは、パートナーたちも監査を軽視することはありません。

主査はすべての調書をレビューします。

そして私もあるべき監査について徹底的に議論させてもらいました。

私が望んでいた通り、ここで思う存分、監査の経験を積ませてもらいました。

 

やっぱりパートナーになるのは難しい

転職先で徹底的に監査を叩き込まれたこともあり、2年を経過する頃には質の高い監査を実施できるようになっていました。

私の中で監査のベースになる部分が出来上がった時期でもあったと思います。

 

でも監査ができるようになったからといって、パートナーになれるわけではありません。

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またパートナーになれなければ、最終的には監査法人での居場所を失ってしまいます。

私はこのことに気付かずに監査法人に残ってしまい、今になって居場所を失ってしまい、間もなく監査法人を退職することになると思います。

私は定年まで監査で飯を食っていくために転職までしたのに、これでは何のために転職したのか分かりません。

シニア時代にそれが分かっていれば、わざわざ監査法人に転職することなどしなかったでしょう。

 

パートナーになれるかどうか不安を感じている人は、たぶんパートナーにはなれません。

パートナーになる人たちは、最初から自分がパートナーになることを確信しているような人たちです。

 

パートナーになることを確信できない人が、そのまま監査法人に残ってしまうと、40代になってから路頭に迷うことになります。

そうならないためには、労働市場での市場価値が高いうちに、次のキャリアを探さなくてはなりません。

そのときは、監査法人にこだわることなく、広い視野で次のキャリアを探すべきです。

 

パートナーになれなければ、いずれ居場所を失うことになるのは、どこの法人でも一緒。転職を考えるなら、広い視野で次のキャリアを選ぶべき

アリだと思う監査法人への転職例

パートナーになれない人は、どこの監査法人に行こうとも、いつかは居場所を失ってしまいます。

従って監査を続けるつもりで、他の監査法人へ転職することに意味はありません。

 

でも以下のようなケースなら、他の監査法人へ転職するのもアリだと思います。

特定のスキルを身に付けたい人

例えば独立開業を目指している人が、非監査業務に積極的に取り組んでいる監査法人などに転職するのはアリだと思います。

 

監査ばかりやっていても独立開業するためのスキルは身につきません。

独立開業を目指す人が必要な経験を積むために、他の監査法人に転職するのはアリだと思います。

買い手市場の時に望みの監査法人に入れなった人

就職難の時代に希望する監査法人に就職できなかった人が、希望を叶えるために転職するのはアリだと思います。

 

ただしパートナーになることを確信している人以外は、転職先でもいつかは居場所を失うことになってしまいます。

このような人は、監査法人にこだわらず広い視野で他のキャリアを探すべきだと思います。

地元へ帰りたい人

東京で働いている地方出身者が、地元へUターンしたいと考えるなら、地元に事務所のある監査法人に転職するのもアリだと思います。

 

今の監査法人で地元に事務所があるなら異動を願い出ればいいだけですが、なければ転職するしかありません。

地元出身ということで採用してもらいやすいと思いますので、転職にチャレンジしてみるのも一つの方法だと思います。

 

ただし地方事務所で働くことにはデメリットもありますので、注意が必要です。

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またパートナーになれない人に居場所がないのは地方事務所も同じなので、注意が必要です。

中小監査法人に転職する人

大手監査法人でパートナーになれなかった人でも、中小監査法人でならパートナーになれるかもしれません。

実際に私の知人でも、中小監査法人に転職してパートナーになった人がいます。

 

ただし中小監査法人でパートナーになるのと、大手監査法人でパートナーになるのとでは、意味が違いますので、それを分かって転職するならアリだと思います。

人間関係をリセットしたい人

何か大きな失敗をして、若くして部門内で居場所を失ってしまったような人は、他の監査法人へ転職するのもアリだと思います。

 

ただしパートナーになれなければ結局は居場所がなくなってしまいますので、監査法人にこだわることはなく広い視野で次のキャリアを探してみても良いと思います。

 

他の監査法人へ転職するのもアリなケースはある。ただし転職先でもパートナーになれなければ、居場所を失うことは理解しておくべき

まとめ

現状を打破するために、他の監査法人への転職を考えている人もいらっしゃるかと思います。

でもそもそも今の職場でパートナーになれない人は、他の監査法人に転職してもパートナーになることはできません。

 

またパートナーになれなくても定年まで働ければいいと甘く考えている人は、すぐに考えを改めるべきです。

そうでなければ、私と同じように40代になって監査法人で居場所を失ってしまい、八方ふさがりの袋小路に追い詰められることになってしまいます。

 

パートナーにならないなら、監査法人にこだわることはありません。

若い会計士の皆さんには、広い視野でキャリア形成を考えていってほしいと思います。

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