こんにちは。
「書いている人」@CPABlogです(プロフィールはこちら)。
先日、以下の記事を目にしました。
30代女性マネージャーが突然死の「デロイト トーマツ」 約1年前にも同部門の40代男性が亡くなっていた
タイトルではトーマツとされていますが、亡くなられた30代の女性マネージャーは監査法人ではなく関連会社にお勤めだったようです。
詳細は不明なのですが、体調を崩された原因は働きすぎにあったようです。
かつて私もいつ過労死してもおかしくないレベルで働いていた時期が何度かあったので、やりきれない気持ちで記事を読ませてもらいました。
よりよく生きたいと願って頑張っていたはずなのに、なぜこのような結果になってしまうのでしょうか。
死ななかったのは運が良かっただけ
私もかつては過労死レベルで働いていた時期が何度かありました。
その中でも特に異常だったのはシニア時代にある会社の監査チームに所属していた時のことです。
その会社は5営業日目に単体決算が締まるのですが、そこから決算発表までの25日間は地獄のような毎日でした。
帰宅は連日夜中の3時、4時になり着替えとシャワーと3時間の仮眠のために自宅に戻る日々を決算発表までの25日間休みなしに続けていたのです。
このような働き方をしていたのは私だけではなく、チームメンバー全員が同じような生活を続けていました。
直前一か月の時間外労働が100時間を超えるといつ過労死してもおかしくないと言われていますが、この頃の残業時間は250時間を超えていました。
このような異常な働き方が恒常化していたのですが、チームメンバーの誰も死ぬようなことがなくて本当に良かったと思います。
でもこれは単に運が良かっただけなのかもしれません。
一歩間違えていれば、私も含めてチームメンバーの誰かが過労死していてもおかしくなかったのだと思います。
当時の私はなぜそこまでして働いていたのか。
振り返ってみると、ただただ「責任感」しかそこにはなかったように思います。
無理をするのは責任感から
私は他の人と比べて特に責任感が強いというわけではありません。
それでも日々「仕事を任された以上期待された成果をきちんと出したい」と思いながら仕事に取り組んでいます。
そしてその思いがあるからこそ、時には上記のように過労死してもおかしくないような働き方をしてしまうのだと思います。
でもこれは多くの監査法人で働く会計士に共通したことなのではないでしょうか。
そもそも公認会計士になるためには会計士試験に合格しなければなりません。
この試験はいい加減に勉強して合格できるような生半可な試験ではなく、真面目にコツコツと勉強しなければ合格できない試験なのだと思います。
だからこの試験を通過してきた人たちは、基本的に真面目な人が多いのだと思います。
そして真面目だからこそ、仕事を任された以上期待された成果をきちんと出したいと思いながらついつい無理をしてしまうのだと思います。
でも例えその仕事がどんなに尊い仕事であったとしても仕事が原因で死んでしまったら元も子もありません。
「無茶な働き方を続ければ、いつか死んでしまうかもしれない」
このことは強く意識しておく必要があるのだと思います。
働き方改革の根底にあるもの
先の記事のような悲劇をなくすためには、上司であるパートナーたちが部下たちの働き方をしっかり把握してコントロールしなければなりません。
働き方改革が叫ばれるようになって数年、以前に比べれば監査法人でも残業規制等が徹底されるようになって、昔のような過労死スレスレの無茶な働き方は影を潜めたようにも思います。
でも本当にこのような無茶な働き方はなくなったのでしょうか。
私はそうは思いません。
なぜならばマネジメントたちは所詮部下たちを働かせるためのルールの一部が変更されたに過ぎないと捉えているからです。
「ルールが変わったのなら、新しいルールに合わせた上で今まで以上の成果を出させろ」
パートナーたちがマネジメントから要求されているのは、結局はこういうことなのだと思います。
気の利いたパートナーなら生産性を上げる方法を一緒になって考えてくれるかもしれません。
でもパートナーだってそう簡単に生産性を上げる方法を見出せるわけではありません。
結局、隠れたところでこれらのしわ寄せが特定の人たちのところへ来ているだけで、本質的には従来と何も変わっていないのではないでしょうか。
監査法人に過度の期待を寄せることは禁物です。
皆さんは自分の身は自分で守らなくてはなりません。
まとめ
何度も過労死スレスレの時期を乗り越えてきたにも関わらず、結局監査法人ではパートナーにはなれませんでした。
これではいったい何のために無茶をしてきたのか分かりません。
でも途中で死なずにここまで来れただけマシだったのかもしれません。
病気や事故で死んでしまうことは受け入れられても、働きすぎで死んでしまうなんて悔しすぎます。
皆さんも自分の身は自分で守るようにしてください。
生きてこその人生なのですから。
先の記事のような悲劇が繰り返されないことを切に願います。
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