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監査法人で新規業務を獲得できますか?【向いてる人・向いてない人】

こんにちは。

「書いている人」@CPABlogです(プロフィールはこちら)。

 

 

監査法人で定年まで働きたいのであれば、パートナーになるしかありません。

そうでなければいずれ私のように、監査法人での居場所を失ってしまい、辞める決断をしなければならなくなってしまいます。

 

 

パートナーになるパターンには、2つあると考えています。

 

一つは「監査」の実績を評価されてパートナーになるパターン。

監査法人では「監査」は当たり前の仕事で、中で働く公認会計士なら誰でもできることなので、普通に「監査」をやっていても評価されることはありません。

でも監査報酬がグループ全体で数十億円になるようなビッグクライアントの「監査」は、例外です。

 

そのようなビッグクライアントでのインチャージの経験は、パートナー登用にあたって十分評価されるポイントになりえます。

なのでもし今、ビッグクライアントの監査チームに属しているなら、将来インチャージを任せてもらえるように頑張ってみるのも監査法人で生き残るための一つの方法だと思います。

 

でもビッグクライアントの監査チームは数十人で構成されているのが通常です。

その中で、抜きん出てインチャージを任せられるようになるのは、ある意味パートナーになるより難しいことなのかもしれません。

 

 

そこで重要になってくるのがもう一つのパターンで、新規業務を獲得する力を評価されてパートナーに登用されるパターンです。

監査報酬が数千万円クラスの会社の監査しかしていない、あるいはビッグクライアントのインチャージは任されそうにないという人がパートナーを目指すなら、この方法しかありません。

 

でも監査法人での新規業務を獲得って、どうするのかイメージできますか?

 

私がシニアの頃は、全くイメージできませんでした(汗)

 

これまで監査しかしてこなかった人の中には、当時の私と同じように、監査法人で新規業務ってどうやって取ってくればいいの?と思っている方もいらしゃるかもしれません。

今回は、監査法人での営業活動について深堀していきたいと思います。

 

監査法人での営業活動

監査法人での営業活動に決まった形はありません。

基本的に何をどこへどのように売るかは自分自身で自由に決めて営業活動を行うことになります。

ただし監査クライアントに対しては、同時提供が禁止されている業務がありますので、注意が必要です。

またクライアントごとに責任者が定められている場合もありますので、この場合は事前に話を通すなど注意が必要です。

売るもの

監査法人で売るものは、無形のサービスになります。

監査クライアントに同時提供が禁止されている業務以外なら、たいていのサービスは売ることが可能です。

ただし売ったサービスは、基本的に自分が中心になってデリバリすることになりますので、提供能力のないサービスは売ることはできません。

ちなみに私が過去に売ったサービスには以下のようなものがあります。

  • 内部統制構築コンサル
  • 内部監査制度構築コンサル
  • 内部管理体制構築コンサル
  • 新会計制度対応コンサル
  • システム導入コンサル
  • 人事評価制度再構築コンサル
  • 決算早期化コンサル
  • 業務改善コンサル
  • 不正調査
  • 財務DD
  • 社内研修企画・運営 など

売り先

上記のようなサービスをどこへ売るのか。

売り先を大別すると監査クライアントとそれ以外になります。

 

例えば自分がインチャージを務めている監査クライアントも、立派な売り先です。

監査をしていると、クライアントの問題点や課題などが見えてくるものです。

その監査の過程で把握した問題点や課題について、改善提案を行い、非監査業務の受注を狙っていきます。

 

また監査業務の売り先は、上場企業や会社法監査対象会社等に限定されますが、非監査業務は上場会社や大企業に限らず中小企業も含めて、すべての企業が売り先になりえます。

仁義なき戦いに発展することを避けるために、他の大手監査法人が監査を実施している企業には監査業務の売り込みは行わないという不文律があるのですが、非監査業務はこの限りではありません。

クライアントに深く入り込み、自分のことを気に入ってくれれば、監査業務を奪い取ることもできるかもしれません。

また採算度外視でスタートアップしたばかりの企業と付き合うこともあります。

そのような企業の中の1社が将来IPOを目指すような企業に大化けするかもしれません。

売り方

監査クライアントとは十分な関係が構築できていますので、アプローチで迷うことはありません。

難しいのはそれ以外の企業へのアプローチです。

特にこれまで接点のない会社へのアプローチには苦労しています。

何か困りごとを抱えていることが分かっているなら、その対応策を考えて持っていけば、売れる可能性は十分あります。

でも接点がない会社の場合は、何に困っているのか把握することができません。

そこで仮説を立てて、困りごとを想像して訪問することになるのですが、これがなかなか当たらない。

 

そこで事前に困りごとを聞けるように接点を持つ方法を模索するのですが、有効なのはセミナーやイベントを開催する方法です。

参加費が無料のセミナーやイベントを開催すると、そのテーマに興味を持っている企業が集まってくれます。

アンケートと称して、参加者の連絡先を入手し、後日セミナーのフォローを装い、連絡して訪問に繋げていきます。

興味があって参加したセミナーの講師が個別に話を聞いてくれるとなると、断られることはまずありません。

またセミナー案内を装って、ターゲット企業に電話することも可能なので、可能な限り頻繁に旬のテーマでセミナーやイベントを開催するようにしています。

今なら「どうする?テレワーク下での労務管理」とか「コロナ渦の中で見直しが進むサプライチェーン」とか旬っぽいテーマでセミナーを開催すればそれなりの集客は期待できると思います。

 

また金融機関、弁護士事務所、会計事務所などクライアント紹介が期待できる先との人脈は大事にしなければなりません。

紹介案件の場合は何らかの契約に至ることが多いため、これらの先は大事なチャネルとして温め続けなければなりません。

 

監査法人での営業活動では、監査クライアントに対して一部業務の提供が禁止されている以外決まったものはない。何をどこへどのように売るかは、自分自身で試行錯誤しなければならない

 

向いてる人・向いてない人

ここまで読んで「楽しそうだな」と思った人は、営業に向いている可能性があると思います。

反対に「大変そうだな」と思った人は、恐らく営業には向いてない人だと思います。

 

監査法人での営業は、決まった形があるわけではありません。

先方の話を聞き、提供できそうなサービスを自ら組み立てて作っていかなければなりません。

 

アイデアが豊富で、新しいサービスを考えることを楽しめるような人は、監査法人での営業に向いていると思います。

 

また先方と話をしてニーズを聞き出さなければなりません。

どんな人とでも何時間でも気さくに話せるような高いコミュニケーション能力を持っている人は監査法人での営業でも活躍できるかもしれません。

 

また仕事を依頼してもらうためには、相手に自分が役に立つ人間だと思ってもらわないといけません。

従って、自分の能力や知識、経験、提供予定の業務や効果などを実際以上に魅力的に伝えることができるようなプレゼン能力を有している人は、監査法人での営業でも成功する可能性が高いと思います。

 

私は気の合った人とは何時間でも楽しく話せるのですが、そうでない人と話さなければならないときは身構えてしまうタイプです。

また新しいことを発想するのは苦手で、どちらかというと慣れたことをずっと続けたいと思う人間です。

さらに他人に気を使いながら、おだてたり、すかしたりしながら仕事に巻き込んでいくのは苦手で、どちらかというと一人で自由に仕事をすることを好む人間です。

 

そんな私なのですが、ここまで生き残りをかけて頑張ってきて、苦しみながらもそれなりの成果も出してきたつもりですが、それでもパートナーになるほどの成果には至らなかったようです。

私のような性格では、監査法人での営業には向いておらず、これ以上の成果を出すのは難しいようです。

 

新しいアイデアを考えだすのが苦痛ではない人、どんな人と何時間でも話せるような人、実際以上に自分を魅力的にアピールできる人は監査法人での営業活動に向いている

 

まとめ

監査法人での営業活動では、売るべき商品が準備されているわけではありません。

また売り方についても、誰かが教えてくれるわけでもありません。

 

すべて自分で考えて、動かなければなりません。

 

テレアポで新しい先に電話すると「忙しいから電話してくるな」と罵られることも少なくなく、心が折れそうになることも多々あります。

 

こんな状況すら楽しめるようならいいのですが、それでも成果を出すのはとても大変なことでもあります。

 

ビッグクライアントでインチャージに選ばれるくらい監査で抜きん出ているなら、そのまま監査を続ければいいと思います。

でもそれ以外の人がパートナーになりたいと思うなら、新しいビジネスを作っていくしか道は残されていません。

でもそこで成果を出すのも、ビッグクライアントでインチャージに選ばれるのと同じくらい難しいことなのです。

私はこれに気付くのが遅すぎました。

 

40代になってしまった私が、これからセカンドキャリアを考えても、そう多くの選択肢が残されているわけではありません。

「自分はパートナーになれないかも」と漠然とした不安を感じている人は、たぶんパートナーにはなれません。

そのような人は私のようにボロボロになる前に、セカンドキャリアについて真剣に考えることを強くお勧めします。

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