こんにちは。
「書いている人」@CPABlogです(プロフィールはこちら)。
監査法人で働く公認会計士で余剰資金を投資等で積極的に運用されている方は意外に少ないように思います。
これは会計士の多くがリスクに対して慎重であることを示しているのかもしれません。
あるいは独立性の問題があって投資先が限定されることから投資自体を諦めているせいかもしれません。
私もかつてはリスクを取るのが嫌で、使い道のない余剰資金を数千万円単位で銀行口座にほったらかしにしていました。
でもリーマンショック後の監査法人でのリストラを目の当たりにして、自己防衛のために資産運用に取り組むようになり、今ではそれなりの資産を形成することができました。
監査法人では定年まで働くことはできないため、そこで働く公認会計士のほとんどがいずれセカンドキャリアを考えなくてはならなくなります。
その時に手元の資産の大きさによって、選択肢をどれだけ広げられるか決まってしまいます。
皆さんもその時に備えて今のうちからしっかり資産形成に取り組んでおくべきだと思います。
独立性の問題
監査法人で働く公認会計士が余剰資金の運用を考えるとき、気を付けなければならないのが独立性の問題です。
もし独立性のルールに違反すると大きな問題に発展する可能性もあります。
また最悪の場合、退職に追い込まれることもあることから十分に注意することが必要です。
通常は法律等の規制よりもファームが定めるルールの方が厳しいことから、ファームで定められているルールをしっかり把握し、違反しない範囲で余剰資金を運用していれば問題になることはありません。
私はもっぱらインデックスファンドへの投資を通じて余剰資金を運用しています。
これならファームが求める毎月の独立性の確認への対応も容易なので、監査法人で働く公認会計士でも安心して取り組めると思います。
一方で個別株投資は監査法人の変更などにより思わぬ中断を強いられる可能性もあることから注意が必要です。
なおどこの監査法人でも監査を行っているファンドへの投資は禁止されていると思いますので、実際に投資する際にはルールをよく確認するようにしてください。
投資しない人も投資しているという事実
投資に慎重な会計士はかつての私のように振り込まれた給与を銀行口座にほったらかしにしているのではないでしょうか。
このような人は「リスクを取りたくないから投資なんかやらない」と考えているのかもしれません。
でもこのような人ほど、銀行口座にほったらかしにしているということが「日本円に一点投資している」状況であることに気付いていないように思います。
少子高齢化が急速に進む日本は今後国力が低下する一方であり、世界の中での相対的地位が低下していくのは想像に難くありません。
そして国力低下に伴い、その国の通貨の相対的価値も低下していくことを忘れてはなりません。
多くの食料や資源を輸入に頼っている日本で暮らす以上、日本円の価値下落のリスクには備えるべきであり、日本円に一点投資するやり方は非常にリスクの高い行動なのだと思います。
私も日本円の価値下落に備えて、保有資産が円建てに集中しないように心がけています。
分散投資が基本
リスクヘッジの基本は分散です。
これは皆さんも会計士試験の時に学んだ経営学を持ち出すまでもない話だと思います。
近年ではファンドの信託報酬は年々低下しており、全世界の市場ポートフォリオを実現しているインデックスファンドの信託報酬でさえ、0.1%程度と非常に安価になっています。
このことを考えれば忙しい会計士がほったらかし投資するなら、全世界の市場ポートフォリオを実現しているインデックスファンド一択なのではないでしょうか。
これならリバランスなど面倒なことを考える必要もありません。
余剰資産を一気に投資に回すことに抵抗がある人は、時間をも分散させてドルコスト法で投資する方法もあります。
毎月発生する余剰資金を長期にわたって積み立て投資していけば5年後、10年後にはそれなりの額の資産が形成できているはずです。
まとめ
リスクを避けているつもりの行動が結果的に大きなリスクをはらんでいる、という事実に気付かない人は会計士とはいえ、意外に多いように思います。
このことは定年まで働くことができないことを意識せず監査法人で働き続けていることと似ているようにも思います。
公認会計士が将来に備えるなら、まずは将来に役立つスキルを身に付けることを一番に考えるべきです。
一方で大きな資産が形成できていれば、次のステップを考えるときに選択肢を広げることができるということも忘れてはなりません。
私はある程度の資産を形成できているので、次のステップではペースを落とした働き方をするつもりです。
皆さんも将来への備えは怠らないようにしてください。
とはいえ投資は元本割れのリスクをはらみます。投資はあくまで自己責任ということをお忘れなく。
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