こんにちは。
「書いている人」@CPABlogです(プロフィールはこちら)。
少し残酷な事実なのですが、普通の公認会計士は監査法人でパートナーになることができず、早晩居場所がなくなってしまいます。
私はこの事実に気づくのが遅すぎたため、監査法人で苦しい立場に追い込まれています。
これを避けるためには、市場価値が少しでも高いうちにセカンドキャリアを考えるしかありません。
そこで今回は普通の公認会計士が辛くならずに働けるセカンドキャリアについて、考えてみたいと思います。
皆さんも自分は普通の会計士だと思うなら、手遅れになる前に自身のセカンドキャリアについて考えるようにしてください。
初めから明確なキャリアプランをもった人はそう多くない
公認会計士になった人の中には、明確なキャリアプランを持って公認会計士になる人もいます。
私の同期にも
- 海外駐在を目指す人
- 独立開業を目指す人
など明確なキャリアプランをもって公認会計士になった人たちがいました。
このような人たちは目標がはっきりしていたため、監査法人にいても何をなすべきか常に考えながら仕事をしていました。
そして目標に向かって一直線に努力し、それぞれの道で成功している人が多いように思います。
このように明確なキャリアプランをもって会計士になるのが理想だと思うのですが、会計士の中には何となく会計士になった人も意外と多いのではないでしょうか。
かく言う私も明確なキャリアプランなどなく、何となく会計士になってしまった一人です。
もともと私は、仕事に何かを求めるタイプではありません。むしろ、できれば仕事はしたくないとも思っています。
公認会計士になったのは、高い給料が欲しかったからに過ぎません。
たくさん稼いだお金でプライベートを充実させるため、何となく会計士になったのです。
そんな私は、仕事にのめり込むことはなく、責任を果たすためだけに仕事をしがちです。
その結果、跳びぬけた成果を出すには至らず、パートナーになれないまま、居場所を見失い、袋小路から抜け出せなくなってしまっているように思います。
最悪でもシニアマネージャのまま定年まで働けるのではないかと甘く考え、監査法人でダラダラと惰性で働き続けた結果なので、誰を責めるわけにもいきません。
私は年齢的に手遅れになってしまいましたが、後輩たちには同じ轍は踏んでもらいたくありません。
必要なことは取り返しがつかなくなる前に、無理をせずに自分らしく働くことができるセカンドキャリアを見つけることなのだと思います。
「退職する人」=「負け組」ではない
私にとって公認会計士の仕事は、プライベートを充実させるためのお金を稼ぐための手段でしかありません。
なので明確なキャリアプランなど持たず、ここまで働いてきました。
このように書くとテキトーに仕事をしてきたように思われるかもしれないのですが、責任感は強かったので、与えられた仕事では一生懸命がんばってきたつもりです。
一生懸命がんばってきたからこそ、シニアマネージャまでは遅れずに昇進できたんだろうと思います。
でも今考えれば、これがいけなかったのだと思います。
遅れずに昇進してしまったがゆえに、自分のキャリアプランを見つめ直す機会を失ってしまったのです。
途中で躓いていれば、もっと早くに自分のキャリアプランを見直す必要があることに気が付けていたかもしれません。
でも私は、このことに気が付くことができませんでした。
このまま監査法人でキャリアを積み重ねることで、自分が思い描く生き方ができると思っていました。
「自分の思い描いた生き方ができなくなる」ということにもっと早く気付けていたなら、労働市場での自分の価値が高いうちに外へ飛び出すこともできただろうに。
「後悔先に立たず」です。
でももう一つの価値観が、私を邪魔していたかもしれません。
それは監査法人を退職する人は、負け組であるという誤った価値観です。
監査法人で働く皆さんならよく分かると思いますが、監査法人での仕事はなかなかの激務です。
私はこの激務に耐えるために、気が付かないうちに自分自身をマインドコントロールしていたのかもしれません。
「辛くても逃げてはダメだ」、「逃げる奴は負け組だ」と。
そう思うことによって、日々の激務に耐えてきたのかもしれません。
でも今なら、この価値観が間違いだったということがよく分かります。
監査法人に残り、負け組に追い込まれた今なら。
自分らしく生きるためのセカンドキャリア
難関と言われる公認会計士試験に合格できたのに、なぜ負け組になってしまうのか。
それは監査法人にいるからなのだと思います。
監査法人で働く公認会計士は、当たり前のことですが、全員会計士試験を合格してきた人です。
この中で競い合うから、普通の会計士が負け組に追いやられるのです。
私は数年前から外の世界を調べてきたのでよく分かるのですが、外の世界での公認会計士の評価は、すごく高いです。
また外の世界なら、競い合う周りの人たちは会計士試験なんて考えもしなかった普通の人たちなので、その中で勝ち残ることはたやすいことです。
なので外の世界なら、普通の会計士もつらい思いをすることなく働くことができるのです。
普通の会計士こそ、外の世界で自分らしく働けるセカンドキャリアを見つけるべきなのです。
以下のような職種ならこれまでのキャリアも存分に生かせます。
- 一般事業会社の経理、内部監査、経営企画
- ベンチャー企業の財務担当役員、監査役
監査法人で我慢しつづける必要など一ミリもありません。監査法人は一部の優秀な会計士に任せておけばいいのです。
私のように惨めな思いをしたくなければ、労働市場での市場価値の高いうちに監査法人に見切りをつけて、さっさと外の世界にでていくことを強くおすすめします。
独立開業を目指すのもアリ ただし時間は必要
世間一般では、公認会計士のセカンドキャリアに独立開業も掲げられていますけど、監査法人で働く会計士にとっては、ちょっとハードルが高いように感じるのではないでしょうか。
実際に私もそう感じてきました。
原因は、独立開業のために必要とされているスキルが身についてないからです。
独立開業して、監査の仕事が受注できるなら、今すぐ独立開業しても大丈夫です。
でも個人事務所で監査の仕事なんて受注することはできません。
なので独立開業後は、税務やコンサルティングの仕事で食っていくことになります。
にもかかわらず監査法人で普通に監査業務をやっているだけでは、これらのスキルは身に付きません。
だって監査では申告書のチェックはしても、申告書作成ソフトを使うことはないでしょ?
だから独立開業を目指すなら、監査法人からいきなり独立開業するのではなく、ワンクッション挟んでスキルを学べる以下のような職場を経験するべきなのです。
- 税理士法人
- 個人会計事務所
- コンサルティング会社
そのうえで独立開業を目指すなら、普通の会計士にとっても、自分らしく生きるためのセカンドキャリアになりえるでしょう。
市場価値がなくなる前に
監査法人で働く皆さんは、私と同じようにノーアイデアだから監査法人で働き続けているのではないでしょうか。
でもいつかは私と同じように袋小路に追い込まれる日が来てしまいます。
そうならないように、労働市場での市場価値が高いうちに、自分らしく生きるためのキャリアプランを見つけるようにしてください。
監査法人でノーアイデアで働き続けている人は、こちらの記事もどうぞ。
コメント