こんにちは。
「書いている人」@CPABlogです(プロフィールはこちら)。
監査法人を辞めたいと思った時、あなたならどうしますか?
すぐにパートナーに退職の意向を伝えますか?
それとも嫌なことから目を背け、我慢して監査法人で働き続けますか?
監査法人を辞めるのは簡単なことです。
明日にでもパートナーに「退職したい」と伝えれば、数か月後にはあなたの銀行口座に退職金が振り込まれているはずです。
でもかつての私がそうであったように考えなしに監査法人を退職しても決して幸せにはなれません。
もしあなたが私と同じように「監査法人を辞めたい」と思っているなら、そこから一歩先に進むために以下のことを実践してほしいと思います。
この先どうしたいのか(キャリアの方向性を考える)
多くの人は漠然と会計士になることを思い描きながら会計士試験を受験したと思います。
そして試験に合格した後も、とくに他を検討することもなく当たり前のように監査法人に入所したと思います。
だからこそ監査法人を辞めたいと考えた今こそ、自身の今後のキャリアについて真剣に考えるべきです。
公認会計士のキャリアは大別すれば以下の3つに収束します。
- 監査法人で働き続ける
- 一般事業会社へ転職する
- 独立開業する
これら3つの道はそれぞれ全く異なる方向へと続く道であり、この先で交わることは原則ありません。
あなたが先に進むためにはこの先どの道を歩むのかをここで決めなければなりません。
今のタイミング決め切れるならそれに越したことはないのですが、今決めたからといってこの先二度と変更できないわけではありません。
決め切れない人はとりあえずでもいいので、いずれの道を歩むのか決めるようにしてください。
これまでのように漫然と監査法人で働くのは今日までにしましょう。
監査法人でパートナーになって働き続けることを目指すのもいいでしょう。
あるいはこれまでの知識や経験を生かして定年まで一般事業会社で安心して働くことを目指すのもいいと思います。
あるいは独立開業してすべてあなたの裁量で物事を決めながら働く道を選ぶのもいいと思います。
いずれにしてもこの先に進む道をここであなた自身が意識的に決めることが重要なのです。
そしていずれの道を歩むにしても、それぞれの道を歩むのに必要になるスキルやマインドセットがあるのですが、次のステップでこれらを獲得するための具体的な行動に落とし込んでいきます。
具体的な行動に落とし込む
自身のキャリアについての大きな方向性が定まったら、次はその道を歩むために必要になるスキルやマインドセットを獲得するために、具体的な行動に落とし込んでいく必要があります。
独立開業を目指す場合でも、監査法人を辞めていきなり開業できるわけではありません。
まずは主力のサービスを決めて、そのサービスを提供するために必要となるスキルやマインドセットの獲得を目指さなくてはなりません。
税務サービスを中心に据えるなら、税務サービスを幅広く展開している会計事務所で数年間経験を積むことによって、独立稼業に伴うリスクを大きく減らすことが可能です。
M&Aや組織再編、FAS業務などを主力のサービスに据えるなら、これらのサービスを展開している独立系の会計事務所に入り、営業で必要となるマインドセットやレポーティングスキルなどのノウハウを盗み取ってから、独立開業すべきです。
3年後に会計事務所をオープンさせることを目指す
↓
主力サービスはM&A関連サービスとしたい
↓
M&A関連サービスを広く展開している会計事務所でノウハウを盗み取る
↓
6月末に監査法人を退職して独立系の会計事務所へ転職する
↓
3月末までにパートナーに退職を伝えるべく、すぐに転職活動を始める
このように大きな方向性が決まったら、具体的な行動に落とし込み、一つ一つの行動を起こすことによって先に進むことが可能となるのです。
一般事業会社で定年まで安定的に働きたいと思うなら、これ以上監査法人で無駄に過ごしている時間はありません。
少しでも若いうちに転職活動を始めて、意中の会社への転職を目指すべく、具体的な行動を起こさなくてはなりません。
あるいは監査法人で働き続けようと思うなら、パートナーを目指すしか道はありません。
監査法人でパートナーになるのは「無理ゲー」とも思えるような競争に勝ち抜いていかなくてはならず、必要となるスキルやマインドセットを身に付けるために血の滲むような努力を積む重ねていく必要があります。
パートナーになるためには新規業務を獲得する能力、マネジメント能力、質の高い監査を遂行する能力が必要になります。
漫然と監査法人で過ごしていてもこれらの能力は身に付くことは決してありません。
新規業務を獲得する能力が足りないと思うなら、営業活動を行う比重を高めてもっと営業力を高める努力をしなければなりません。
マネジメント能力が足りないと思うなら、もっと部門運営に首を突っ込み、足りないと思う施策をあなた主導でどんどん推進していきましょう。
- 監査法人で働き続ける
- 一般事業会社へ転職する
- 独立開業する
いずれの道を進むにしても、実際に行動を起こすことによってはじめて前に進むことができるようになることを忘れてはいけません。
まとめ
退職時期を監査法人を退職するのにベストな6月末とするなら、3月中にはパートナーに退職を伝える必要があります。
私はまだ転職先が決まっていないので、このタイミングで退職を伝えられるかどうかは微妙な状況です。
このまま転職先が決まらないと、退職はもう少し先になるかもしれません。
ワクチン接種が開始されれば世の中は急速に正常化していくことでしょう。
アフターコロナの世界で良いスタートダッシュが切れるよう、ここが踏ん張りどころだと思ってがんばりたいと思います。
コメント
はじめまして。
最近転職を考えている大手監査法人2年目のスタッフです。
定年まで家族生活を重視した平穏な暮らしをしたいという思いはあるのですが、具体的に仕事で何を成し遂げたいから…という目標がなく、出口に困っています。
上記が理由だと転職タイミングについても中々考えものだなと思っており、仕事が忙しいことを言い訳に転職活動を蔑ろにしている状況なので、アドバイスや喝を頂けたら幸いです。
はじめまして、のうさぎさん。
入所2年目で転職を考えているなんてすばらしいですね。
もし私が20代に戻れるなら、今度は間違いなく独立開業を目指します。
M&A関連サービスか相続のどちらかを主力サービスにする会計事務所が良さそうです。
必要なスキルを獲得しなければなりませんので、修了考査が終わったらすぐに、できるだけ少数精鋭で運営されているような会計事務所に転職し、数年間は死んだ気になって修行します。
そして開業後はすべて自分の裁量で事務所を運営していければ最高だと思います。
40代後半の私とは違い、のうさぎさんには無限の可能性があります。
どの道を選択するにしても、一日一日を無駄にすることなく毎日を過ごしてもらえたらと思います。
お忙しい中ご回答ありがとうございます。
将来的に育児をしっかり行いたい私は転職するなら一般事業会社かな?と考えており、M&Aや独立は今よりも激務な気がしていて中々重い腰が上がらなかったのですが、コメントを拝見し、20代のナレッジ蓄積は今後のために非常に重要だと改めて気付かされました。
どちらかと言うと大きい規模のクライアントの監査をしており、M&Aや税務の知識がかなり薄いのでいきなり少数精鋭の事務所で雇って頂けるかは分かりませんが、事務所異動に手を出して上記関連業務に手を出してみるなど色々トライしてみたいと思います。
もしなにかアドバイスあれば頂けると幸いです!