こんにちは。
「書いている人」@CPABlogです(プロフィールはこちら)。
公認会計士向きの求人にはさまざまなものがありますが、経理職は代表的な求人のひとつです。
でも多くの会計士は経理を退屈な仕事だと思っているのではないでしょうか。
これは会計士が監査の過程でおもしろくなさそうに働いている経理の人をたくさん見てきたからかもしれません。
でも本当に経理の仕事は退屈な仕事なのでしょうか。
少なくとも私はそうは思いません。
仕事への取り組み方次第で、経理の仕事はいくらでもおもしろい仕事になると考えており、公認会計士にとっても有力な転職先のひとつだと考えています。
今日はそんな経理の仕事を深堀りしたいと思います。
経理の仕事
経理で行う仕事はおおむね以下のようなものです。
日常業務
日常業務はいわゆるルーティンワークですね。
顧客への請求業務や仕入れ先に対する支払業務、従業員の経費精算などがこれに当たると思います。
これらの日常業務は専門知識等を必要とすることはありませんので、公認会計士がやる意味はありません。
Jobローテーションの一環で短期間これらの仕事を経験することはあっても、ずっと日常業務を担当するということはありえません。
ただしマネジメントを任されるケースが多いと思いますので、これらのルーティンワークを担当してくれる経理課員をマネジメントすることは必要です。
またこれらの業務プロセスに不効率なところがあるようなら業務プロセスの見直しに取り組むことも求められるでしょう。
決算業務
月次や四半期、年度に行う決算業務は、経理が行う代表的な業務のひとつです。
月次決算は法定決算ではなく、経営者等への報告用に経理で数字を簡便的に取りまとめる作業です。
経営者等のニーズに応えるべく独自ルールで数字を取りまとめることになりますが、決まったルールがないからこそ、どこまでやるのか、精度を決めるにあたっては会計士の経験が生きてくるはずです。
また法定決算ではないからこそ、スピードも重要になってきます。
現状、月次決算の取りまとめに何営業日もかかっているような会社でも、やり方次第ではもっと早く取りまとめることも可能なはずです。
これらの改善に取り組めるのも豊富な知識と経験を持つ会計士ならではであり、おもしろみを感じられる仕事なのではないでしょうか。
また上場企業の場合、四半期や年次決算は法定決算であり、決まったルールで決算を取りまとめる必要があります。
会計士であれば、これらのルールに従って数字を取りまとめることは造作もないことでしょう。
またイマイチな開示をしている会社も多いことから、IRの視点から開示内容を見直すのも面白そうです。
税務については経験のない人も多いと思いますが、会計士であれば基礎的な知識はあるので、分からないことを調べながらやれば、十分対応できるはずです。
退屈と思われがちな決算業務ですが、目標をもって対応することで十分に楽しめる仕事になるのではないでしょうか。
管理業務
経理の仕事は日常業務や決算業務に留まりません。
債権管理、資金管理、予実管理、子会社管理など各種管理業務の経理の代表的な仕事の一つです。
日常的な債権管理については営業部門が行っているケースが多いと思いますが、債権評価にも関わってくる滞留管理については経理が情報を取りまとめているケースも多いと思います。
チェックがなければ不正の温床にもなりかねない領域なので、基準の設定や回収可能性の判断等については会計士の経験が活きてくる分野なのではないでしょうか。
また別に財務部門を設けていない限り資金管理も経理の重要な業務の一つとなります。
事業全体の収支のタイミングを見極め、資金需要を予測し、状況に応じて金融機関等と折衝することになります。
金融機関等のとの折衝では、会計士らしく客観的な数値を裏付けにして折衝することなどが期待されていることでしょう。
子会社管理も経理の守備範囲となっている会社が多いのではないでしょうか。
国内のみならず海外に子会社を有する場合は、メールなど英文でのコミュニケーションが取れる程度の語学力が必要になるケースも少なくありません。
海外子会社で巨額の不正が発生する、ということもなくはありませんので会計士の視点でのチェックが重要な領域でもあります。
重要性に応じて現地でチェックすることも必要になることもあるでしょうから、定期的な海外出張が求められるケースもあるでしょう。
監査対応
監査対応については一番接点の多い経理が窓口となっているケースがほとんどだと思います。
特にIPOを目指している企業の経理に入った場合などは、会計士であるあなたが監査法人のカウンターパーソンになることも少なくありません。
監査チームが監査を進めていく上でどのような資料が必要になるのか、あなたなら想像がつくはずです。
必要になると思われる資料は前もって準備をすることができるのは、会計士だからこそなのではないでしょうか。
スムーズに監査が進むことは、監査法人だけではなく企業にとってもメリットがあるものです。
スポット業務
大企業の場合は、頻繁にM&Aや組織再編等が行われることもあります。
これらの会社の経理に入った場合は、しばしばスポット業務が発生することになるでしょう。
M&Aの場合は企業価値評価やDDなどが、組織再編の場合は関連する会計や税務についての確認等が必要になりますが、経営企画や社長室が対応するケースの他、経理が対応するケースも少なくありません。
これらスポット業務が頻繁に発生するような会社に入れば刺激の多い毎日を過ごすことになり、退屈している暇などないのではないでしょうか。
実際の求人
経理では上記のような業務を行うことになりますが、実際の求人も見ておきたいと思います。
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この中で会計士向きの求人を探してみると以下のような求人が見つかりました。
IPO準備会社のCFO候補
まずIPO準備会社のCFO候補の求人です。
求人ポジション | CFO候補(IPO準備中) |
仕事内容 | 管理業務全般をお任せする、CFO候補(役員候補) 管理部門の⽴ち上げから⼀緒に⾏っていただきたく、管理組織のあり⽅からともに議論してデザインできます。【業務内容】 ① 財務・管理会計業務 ・予実管理 ・経営レポーティング ・監査法⼈対応 ・経理業務全般 ② その他 ・内部統制の整備・運⽤ ・新規事業の各種サポート 等 |
勤務地 | 東京 |
必要な経験・能力 | 【必須条件】 下記いずれか ・公認会計士(監査法人のみの経験でも可) ・事業会社で管理部門の統括のご経験 |
想定年収 | 600万円 ~ 1000万円 |
求人詳細 | 求人詳細を確認(※MS-Japanのプロモーションを含む) |
応募条件のひとつに公認会計士であることが求められているのですが、監査法人のみの経験でも可能とされているので応募しやすい案件ですね。
想定年収は600万円から1,000万円とされており、シニアクラスなら監査法人からの転職でも年収を下げずに済みそうです。
IPO準備中ということもあり、体制整備に多くの時間を割かれ大変そうですが、IPOに成功したときの見返りは大きと思います。
ストックオプションの付与などについてもエージェントを使って入社前にしっかり交渉しておきたいところですね。
成長半ばの会社と一緒に成長していくことに喜びを感じることができる人にはおすすめの求人なのではないでしょうか。
東証一部上場企業の経理
続いて東証一部上場企業の求人です。
求人ポジション | 経理財務担当 |
仕事内容 | ■ご経験やスキルに応じて、経営管理本部経理財務センター内の部署所属となり、中長期でセンター内の部署や事業部、または国内外拠点などローテーションの可能性があります。
同グループ国内外約100社を取りまとめる本社での経理財務業務となります。経理財務業務(単独決算/連結決算/財務など)を担当頂きながら、適性により同グループの事業戦略を支える経理財務戦略の立案、各種PJT、M&A業務を担当して頂きます。 ※現在センター内は、原則テレワークにより業務を行っております。 |
勤務地 | 東京 |
必要な経験・能力 | <必須> ■上場企業または同等レベルの会社で、3年以上の下記のいずれかの業務経験をお持ちの方 単独決算業務、連結決算業務、予算管理業務、財務管理業務、M&A関連業務、拠点コントローラー<歓迎> ■簿記、会計士、税理士等資格をお持ちの方 ■ビジネスレベルの英語力をお持ちの方(文章力・会話力) ■事業会社における、M&Aに関連する業務の経験 |
想定年収 | 550万円 ~ 850万円 |
求人詳細 | 求人詳細を確認(※MS-Japanのプロモーションを含む) |
求人ポジションがプレイヤーということもあり、想定年収は先ほどの案件に比べるとやや低めですが、スタッフやシニアの方であれば年収は下げずに済みそうです。
ビジネスレベルの英語力を持っている人を歓迎とされていますが、必須とはされていませんので、英語力に自信のない方でも安心して応募できそうです。
安定した職場で定年までゆっくり働きたいと思っている方にはおすすめの案件なのではないでしょうか。
経理(課長代理~課長)
こちらは公認会計士限定の求人で、大手生命保険会社の経理課長代理あるいは経理課長の求人です。
求人ポジション | 【公認会計士限定】経理(課長代理~課長) |
仕事内容 | プレイヤーとして下記業務をお任せ致します。
【主な業務内容】 |
勤務地 | 東京 |
必要な経験・能力 | 【必須】 ・公認会計士資格をお持ちの方【歓迎】 ・保険業界の監査経験、もしくは同業界での経理実務経験をお持ちの方 ・英語力ビジネスレベル(TOEIC、留学経験等) |
想定年収 | 900万円 ~ 1200万円 |
求人詳細 | 求人詳細を確認(※MS-Japanのプロモーションを含む) |
特筆べきは想定年収の高さでしょうか。
経理職はバックオフィス系の業務であり、フロント系の仕事に比べると想定年収が低い案件が多い中、この案件は想定年収が900万円から1,200万円とされています。
この案件ならマネージャクラスの転職でも年収を下げずに済みそうです。
保険業界の監査経験があれば尚可とされていますが、必須とはされていませんので、なくても応募可能です。
同様に英語力についてもビジネスレベルの英語力があれば尚可とされていますが、必須とはされていませんので英語力に自信のない人でも応募可能です。
まとめ
ルーティンワークが多くつまらないと言われることも多い経理の仕事ですが、仕事に取り組む姿勢一つで楽しめるかそうでないかは変わってくるものだと思います。
イマイチな業務プロセスを見直して効率化を図るような改善に積極的に取り組めば、退屈なんかしている暇はありません。
実際、私自身も経理は有力な転職先の一つとして考えながら今後も情報収集していきたいと思います。
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